「色香」について

以前マルタン・マルジェラの着古したシャツを、何かに使えないかと解いた事があります。

解体過程で一流といわれるイタリア職人の技術に触れ、その凄さに感動したのを覚えています。

一見とってもシンプルな"普通"のシャツでしたが、解いた形が美しく、

そしてステッチや縫い代の処理など、一流の一流たる所以を垣間みました。

解体したそれぞれのパーツは解体されてもなお、品と色香を放っていたのです。

目にはみえないところに、目にはみえない想いが集結されていると感じました。

モノが放つ色香とは、具体的に目にはみえないけど確実に存在し、

そして見る人に”何か”を感じさせる伝達物質のようなもの...

色香を放って美を感知させる

「見えないところに心を尽くし、色香を放つモノ造り」という、

目指すべき道の一つに気づかせてもらいました。